技術開発の民族風土とCovid-19
Design Safety System
秋の読書のシーズンです、新刊本から離れ、いにしえの知識の宝箱から「発想のモザイク」(技術開発の民族風土)(昭和47年(1972年)5月)を見つけて読み出し、そこに書かれている、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スイスの発想方式と、それらの国の新型コロナウィルス感染の再増加と関連はないか? 何か読み取れないか?手にしている本「発想のモザイク」(技術開発の民族風土)を読み始めたが途中で挫折しそうです。
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書かれている対象国には私もドイツは中国の自動車製造会社のエンジニアと一緒に出張でレオンバーグに短期駐在していました。イギリスは年末年始をかけた出張、フランスは空港での乗り継ぎ、イタリアも同様、スイスはカナダから出張で10月に2週間の滞在でした。筆者は自分の足で歩いて確かめた国がこれら国であったこと、また土地であったためであると書いています。きっと皆様もこれらの国、ほかの国に滞在し、旅行をして、様々な国々の発想方式に関心を持ったのではないでしょうか。またお持ちではないでしょうか、中国、アメリカ、南米、アジアの隣国も同じように知りたいと思います。きっとそれぞれの国、土地でも複雑な環境、背景があるでしょう、どなたかの情報をお待ちします。いにしえ本を読んで随所抜粋したものがこのコラムです。
いろんなことに気づき、考えがあると思います。添付グラフは11月9日までのデータです。何かそれなりに ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、スイスにコラムから お気づきになることがあると思います。では、ドイツから始めます。
ドイツ人の発想方式は積分回路
ドイツ人の発想原点が自己のうちにある。これは相手の立場をほとんど考慮に入れずに 自己の立場だけから発想して相手に押し付けることである。 技術においてはあらゆる可能性を考えて、それに対する対策を立てておくドイツ人がひとたび 対人関係になると、まるで思考を中止するに似ていることは1つの謎である。 しかし優れた科学者や技術者が 自分の専門で社会的な現象に直面すると小学生程度の常識しか持ち合わせていないことを暴露する例がある。そんなことから連想させるようにドイツ人の対人無視は決して悪意ではなく 彼らの発想方式が積分的で、相手の挙動をある時間だけ観察積算してデータを得るためである。 したがってその時間だけ相手は無視され、その時間が経過するとドイツ人自身の判断期になって、ついに相手は浮かび上がる時がない。
ところで積分回路というのは入力(刺激)を積分(時間的に加算)して出力(反応)とする 機械的あるいは電気的装置である。 それは過去における誤差が現在まで影響を及ぼすことを、除くような場合に使われる。 例えば、 ジェットエンジンは弁を開いても、それが出力の増加になるまでは数秒を要する。 この時間が問題になる場合には、適当な積分回路を挿入して、絶えず過去の誤差を求めた上で、これを操作する必要がある。
スイス人の発想方式は積分回路的
スイス人の70%はドイツ系であるにかかわらず、発想原点を相手のうちに置くことは不思議であるが、それは永年にわたる国のあゆみのためでもあろう。 観光国として理想的な発想方式であることは言うまでもない。が、 スイス人の発想積分回路の時定数*はドイツ人のそれに比してはるかに小さいから、 伝達関数は一(いち)に近い。したがって突変入力(sudden change input)に対してもほぼ突変出力(sudden change output)を持って漸次変化入力に対しては漸次出力に近い出力で応じる。 時間遅れは比較的に小さく、しかもゲイン(増幅度)が小さいから不安定に陥る危険はない、が個人として小心者の行動に近く,国家としては大国追従主義に陥る恐れがある。 第2次世界大戦中にスイスの世論が中立とは遠く,まず完全に米英的であったことはこの証明である。発想方式が基本的に積分回路であるから 精密工業国としては最適である、ただし小さい時定数と小さいゲインは 世界の 為替変動などの機会に 「チューリッヒの小鬼たち」が活躍する原因にも なる。
*時定数(じていすう,ときていすう) time constant … 変動を加えた系の状態が平衡に達するまでの時間 t の尺度,すなわち緩和時間をいう。普通は電気回路でよく使われる。
イギリス人の発想方式は遅れのある比例回路的
イギリス人の発想原点が自己の内にあることは古くから、海峡の向こうには無知豪味がとぐろを巻いているとみなし、スイスへ避暑に来る時も紅茶からビスケットまで持参した事実から明らかである。イギリス人の自己中心の発想はドイツ人のそれと対照的で決して、相手を無視した独断ではなく相手の挙動をよく観察した上での自主的判断である。比喩的にいえば、ドイツ人は時に盲目飛行を行うに反して、イギリス人は常に有視界飛行を守っている。この発想方式のパターンは次のように説明できる。 遅れのある比例回路の基本は ステップ変化およびランプ(漸変)刺激に対してある時間だけ遅れるけれども、正しく 刺激の大きさ、もっと重要なことは刺激の変化傾向、 それと変化傾向に正確に一致することに注意することを把握している点である。 もう1つ重要なことは 発想の安定度が高く発想は幻想を含まない、 言い換えるとイギリス人の発想には誇張も少ないが同時に萎縮もみられない。 したがって戦争という異変に対する国家の反応は常に開戦時の立ち遅れがあるけれども冷静に相手の出方を注視して誤らない判断を続け、 ついに最後の勝利を手中に収める。 憎たらしいほどの落ち着きがある。
フランス人の発想形式は微分回路的
フランス人の発想原点が自己の内にあることはフランス人のフランス語に対する執着したがって外国に対する無関心 からだけでも推定ができる。 ただしフランス人の自己中心発想はドイツ人、イギリス人の場合と異なり、フランス人のひらめきのためである。つまり 彼らは相手の初動によってその人を瞬間に感知して反応するから、相手が細かく説明を聞く必要はない。したがって相手は無視されたのと同じ結果になる。 これは鋭い微分回路的発想のためであるが、相手の心理の動きが分かるから対話の時に暖かい感じを与える。
微分回路は電気的に wash out 回路ともいい、 入力の変化部分だけを検出して出力とするものであり、 現在時点において将来の傾向を予測するものでこれを使う制御 は見越し Lead方式などと言う通り, これから発生する動作に対して予防的に対策を立てるためのものである。良い例は 自動車のハンドルを切る場合で、誤差は修正したが、まだ惰性が残るときは行きすぎる危険性があるから、微分回路で現在速度を検知し、事前に舵を取る。
積分回路と微分回路は性格的に反対の傾向を持つ 、すなわち過去と未来、時間遅れと時間進みの差がある。 実際的には積分回路を使うと制御動作が遅れがちになるから使用に当たっては注意を要する。 微分というのはある短い時間内の変化を求める算法で積分のように有限の時間を必要としない。 変化の傾向を使うものであるから、未来の展望は明確であり、予測として貴重であるが過去に興味がないし、また過去の記憶装置としての 価値はない。 微分回路のもう1つの欠点として高周波ノイズ(雑音)が介入すると出力が乱れることが挙げられる。 積分回路はこんなものを気にせず飲み込んでも出力は乱れない。
イタリア人の発想方式は微分回路的
イタリア人の発想限定が 自己の内にあることは圧倒的に独創的なミケランジェロか ダヴィンチの壮大なケースでも、……
立ち上がりは鋭いがその後の反応ははかばかしくない。 原因は不定で 強大な増幅は不安定の危険をはらんでいるけれども 飛躍的な進展もまた期待できる 歴史の中に出現する天才はこの類の見地であった。
日本人の発想方式は微分回路的
日本人の発想原点が相手の内にある理由は発想方式が微分回路的ではあるけれども時定数*がイタリア人よりも小さくてほとんど0だから、真の微分、 したがって日本人の発想は相手の初動に振り回されて自己の持ち味を発揮できないことが多いという結果だ。
*時定数(じていすう,ときていすう) time constant 変動を加えた系の状態が平衡に達するまでの時間、 どのくらいの時間で平衡状態に達するの尺度,すなわち緩和時間をいう。普通は電気回路でよく使われる。
日本人の発想方式が微分回路的であることはほとんど体質的なもので、横断禁止の街路を突きったり、青信号になるまで待ちきれない性急さがその証拠である。 日本人のあまりにも感情的な発想も同じ原因だろう。 これは何か気候と食べ物が原因ではないかと思うほど日本人に固有なものである。 したがって突変入力に対しては一瞬だけ 衝撃的な反応を示すけれども、後はシュンと静まり返って忘れされるように見える。 例えば何か事件が発生した時に日本の週刊誌を見ると時定数は7日に過ぎない。 安保、沖縄、公害、航空事故、ドルショック、あさま山荘事件などがその好例である。
日本人は静かに流れる時代の底流といったものに対して、一時正しく反応する気配を見せるけれども、何かスパートしない限り反応が思わしくない。日本人の平均的特性としてゲイン(増幅度)が大きくこれが反応をかなり実りのあるものにする。 ゲインが大きいことは発想の不安定発散につながるが、近世における日本の最大発散は太平洋戦争の敗戦である 。これはゲインを抑制すれば 防ぎ得た現象であった。 もっとも同じゲインが戦後の経済成長に結びつくのであるから、原因と結果は循環小数のようなもので、途中で断ち切ることは不可能である。
このような抜粋ですが、グラフとぼんやり見えるものが見えるように感じませんか?
積分回路発想、微分回路発想、時間遅れ積分回路発想、時間遅れ微分回路発想、比例回路発想、時間遅れ比例回路発想などなどの回路、と回路組み合わせによりみてみると面白くなるかもしれません。20ページ分をコラム記事にしました、残りの150ページは読後またコラム書きます。
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Have a safe and nice weekend within fall of the leaf.
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